第75回 カンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞した韓国映画『ベイビー・ブローカー』が話題となっている中、今回は作品の劇中楽曲を担当された音楽監督に注目していきたいと思います。
映画『ベイビー・ブローカー』の劇中でかかるやさしい音楽の数々ですが、筆者は特にエンドロールの楽曲に聴き入ってしまい、目頭が熱くなりました……。
このような素晴らしい楽曲を担当された音楽監督とは一体誰なのか……と調べたところ、「チョン・ジェイル」さんという方でした。
そんなチョン・ジェイルさんは、過去にどんな作品を手掛けているのかも含め、経歴も辿っていきたいと思います。
題して、
- 韓国映画『ベイビー・ブローカー』の音楽はイカゲーム作曲家チョン・ジェイルだった!
- 音楽担当:チョン・ジェイルの過去作品は?
- 音楽担当:チョン・ジェイルの経歴は?
と題し、リサーチしていきたいと思います。
それでは、早速本題です。
韓国映画『ベイビー・ブローカー』の音楽はイカゲーム作曲家チョン・ジェイルだった!
韓国映画『ベイビー・ブローカー』の音楽監督は、チョン・ジェイル(Jung Jaeil)さんです。
チョン・ジェイルさんといえば、映画『パラサイト 半地下の家族』やNetflixオリジナル『イカゲーム』などの楽曲を担当されたことが記憶に新しいのではないでしょうか。
とはいえ、筆者個人はこの事実を知ったとき、結構衝撃でした。
『イカゲーム』の音楽も大好きで何度も聴いているのですが、『ベイビー・ブローカー』の音楽監督が一緒であると全く結びつかなかったんです。
それほどまでに、作品の世界観にかっちりとはまるものを作り上げていたんですね!
韓国映画『ベイビー・ブローカー』サントラ 収録内容
- 階段
- 停留場
- 始まりは…雨
- 鳥のように
- 軒下の水
- 家族旅行
- 後を追う
- 風にのって
- 約束のない別れ
- 同乗
- 遠くから
- 箱
- 裏切り
- 揶揄
- 逃げて
- この道はどこへ
- 娘
- 死
- 旧友
- ランニング
- ありがとう
- 許し
- 私たち
- 祈り
オリジナルサウンドトラック(=OST)好きな筆者は、映画視聴後早速OSTを購入しようとしたのですが、Amazonに至っては「一時的に在庫切れ」状態……。
筆者が一番琴線に触れた楽曲は、エンドロールで流れたあのメロディ……
おそらく「22.許し」のように思いますので、早く手元に欲しいものです!
音楽監督:チョン・ジェイルの過去作品は?
韓国映画『ベイビー・ブローカー』の音楽監督:チョン・ジェイル(Jung Jaeil)さんが手掛けた過去作品には、どのようなものがあるのでしょうか。
抜けがあるかもしれませんが、わかる範囲で下記に羅列したので見ていきましょう。
【チョン・ジェイルの過去作品】
- 歌手 パク・ヒョシンとのコラボレーション
他にも、イ・ジョク、ユン・サン、ジョンイン、EPIK HIGH、キム・ドンリュル、オム・ジョンファ、Panicなど多くのアーティストの作曲家、編曲または演奏者として参加 - 2003年 アルバム『Tear Flower』ソロデビュー
- 2009年 映画『マリン・ボーイ』(ユン・ジョンソク監督)
- 2012年 演劇『The Boxer』/音楽監督として参加
展示会『The Moments』開催
自身の3枚目アルバム『Incendies』リリース - 2014年 映画『海にかかる霧』(シム・ソンボ監督)
- 2017年 映画『オクジャ』(ポン・ジュノ監督)
- 2018年 北朝鮮との南北首脳会談にて歓送公演「一つの春」作曲演奏
同年、坂本龍一と対談 - 2019年 映画『パラサイト 半地下の家族』(ポン・ジュノ監督)
- 2021年 Netflixオリジナルドラマ『イカゲーム』
- 2022年 映画『ベイビー・ブローカー』
<年代不明作品>
- 演劇『灼熱の魂』
- 両手プロジェクト『裏切り』
- 国立唱劇団『トロイの女たち』
- ミュージカル『星の王子さま』『四君子、生の季節』
- エルメス財団美術賞を受賞したジャンミンスン作家の『ボイスレア』
- アートフィルム『オーバー・デア』 etc…
音楽監督のほか、演劇・ミュージカル・唱劇・パンソリコラボなど、全方位に渡って活躍。
チョン・ジェイルさんは、音楽の百科事典が出来るのではないかと思われる程、数多くの作品を手掛けているんですね!
そして驚くべきは、音楽監督だけでなく、演劇やミュージカル、多くのアーティストとのコラボレーションなども行う、多方面においてマルチにご活躍されている方であるということではないでしょうか。
↓ 映画『パラサイト 半地下の家族』OST ↓
↓ Netflixオリジナルドラマ『イカゲーム』OST ↓
音楽監督:チョン・ジェイルの経歴は?
韓国映画『ベイビー・ブローカー』の音楽監督:チョン・ジェイル(Jung Jaeil)さんの経歴はどのようなものなのでしょうか。
次で順に見ていきましょう。
▶最初に触れた楽器はピアノ
チョン・ジェイル(Jung Jaeil)さんが最初に触れた楽器はピアノだったとのこと。
9歳(1991年頃)でギターを弾き、13歳で『ホットミュージック』という音楽雑誌に広告を掲載し、ドラムとボーカルを見つけ、音楽をやっていきます。
▶チョン・ジェイル自身 バンドデビュー
ソウルのジャズ専門学校を卒業後、チョン・ジェイルさんは1999年11月(当時17歳)にバンド”ギグ(Gigs)”のベーシストとしてデビューします。
2003年には、アルバム『Tear Flower』でソロデビューし、クラシック、国楽、ニューエイジ、ロックなどさまざまなジャンルを多岐に渡り披露。
2005年頃(当時23歳くらい)には、”プリ”というバンドで活動しています。
▶軍隊入隊を経て、南北首脳会談にて演奏 そして数々の受賞
30歳(2013年頃)のとき、軍隊入隊。
2018年4月(当時35歳頃) 北朝鮮との南北首脳会談にて歓送公演「一つの春」作曲しピアノ演奏したことは話題となり、巨匠・坂本龍一さんも絶賛されています。
下記動画が当時の演奏の模様ですが、音の粒がとてもきれいで引き込まれるものがあります!
また、同じく2018年には、”ハン・スンソク&チョン・ジェイル”プロジェクトの2nd アルバム『끝내 바다에』(翻訳機能を使うと、「ついに海に」という意味に)にて、第15回韓国大衆音楽賞”最優秀クロスオーバーアルバム”部門を受賞。
2021年(当時39歳頃) Netflixオリジナルドラマ『イカゲーム』で「2021年ハリウッド音楽メディア賞(HMMA)」受賞。
▶音楽に対する考え方が変わったきっかけは「ピナ・バウシュ」
音楽監督:チョン・ジェイル(Jung Jaeil)さんは、公演芸術、その中でも舞踊が本当に好きなんだそうです。
実際、音楽監督としてだけでなく、演劇・ミュージカル・唱劇・パンソリコラボなど、全方位に渡って活躍するようになったのには、重要なきっかけがありました。
「2000年度にピナ・バウシュを知るようになったこと」
参照:Kstyle
チョン・ジェイルさんは、ピナ・バウシュ氏の『カーネーション』という作品と出会い、人生が変わり、音楽に対する考え方が変わったといいます。
音楽監督:チョン・ジェイル(Jung Jaeil)のプロフィール
名前:チョン・ジェイル(Jung Jaeil)さん
韓国語表記:정재일
▶生年月日:1982年5月7日
▶年齢:40歳(2022年7月時点)
▶出身地:韓国 ソウル
▶血液型:B型
▶利き手:左
まとめ
- 韓国映画『ベイビー・ブローカー』の音楽はイカゲーム作曲家チョン・ジェイルだった!
- 音楽監督:チョン・ジェイルの過去作品は?
- 音楽監督:チョン・ジェイルの経歴は?
と題しリサーチしていきました。
▶音楽監督:チョン・ジェイル(Jung Jaeil/정재일)さん
映画『パラサイト 半地下の家族』、Netflixオリジナルドラマ『イカゲーム』など、数多くの作品の楽曲担当
▶音楽監督:チョン・ジェイルさんの過去作品一覧
▶音楽監督:チョン・ジェイルさんの経歴
チョン・ジェイル(Jung Jaeil/정재일)さんは幼い頃から音楽に触れ、多方面でマルチに活躍されている素晴らしい方なんですね。
音楽で人の心を動かすことができるチョン・ジェイルさん。
今後ますます彼の音楽を聴いてみたいと感じますね。
最後までお読み頂き、有難う御座いました。